保健医パロ

□お前の闇
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「−・・・来いよ、伊達」

俺は両手を広げて、伊達に笑いかけた。

「おいで?」

俺が力ずくで甘やかすだけでは・・・、意味がないのかもしれない、そう思ッた。
伊達自身が甘えてこないと、きっと芯から心が溶けていかないのではいか。

「伊達・・・恐くねぇから、俺の腕の中に来い」

すると伊達は俯いた顔を少し上げ、チラリと俺を見て呟いた。

「・・・ずっと、気になってたんだけどよ・・・。アンタの左目って、どうなってんの?」

いきなりの質問に、一瞬キョトンとしてしまった。

「ん?−・・・そうだなぁ、見るか?」

伊達は驚き躊躇うような表情をしたが、小さくコクッと頷いた。
そんな伊達を手招きして呼び寄せる。

「・・・」

伊達は黙って俺の隣に座るとじっと俺を見た。
それを確認すると、そっと眼帯を外した。

・・・人前で眼帯取るなんて、何年ぶりだろう?

「あー、昔ちょっとヤンチャでな?バイク事故起こして失明したんだ」
「・・・」

俺の目は、今は色を失い灰色に染まっている。
別に負い目は感じていないが、会う奴会う奴にこの目の事を聞かれるので、いい加減ウザッたくなり眼帯を付けるようになった。


「俺の・・・、目はッ・・・」

伊達は若干俯きながらポツポツと話しだした。
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