日記小咄
□その他
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ネコチカにゃ☆
―…なんだ、この猫。
買い物から帰って来て、果物の入った袋を開けた所、そこには食い散らされた果物と銀色の猫がいた。
猫は満腹の為かスヤスヤと寝入っている。
「いつ入ったンだぁコイツ。…あ〜ぁ、こりゃ皆駄目だな…ったく。」
追い出そうと猫を取り出してみると左目に傷があり、俺は思わず見つめてしまった。
「…こんなに可愛いのに、可哀想にな…。」
腕に優しく抱き締め、頭を撫でると、猫は大きな欠伸をして目が覚めたようだった。
「…よぉ、泥棒さん?」
『!?―…。』
猫はビクッとして驚いていたが、振り向き俺を見ると、そのまま見つめられてしまった。
「なんだお前、人に慣れてンのか?」
『…ナァゥ』
また猫の頭を優しく撫でると、気を良くした猫は俺の胸にスリスリしてきた。
「くくっ、可愛いなお前。…なんなら此処に住むか?」
『にゃぁvV』
心なしか鳴き声が嬉しそうだ。
…どうしようか。
でも猫は気まぐれだし…。
「…お前の好きにしな?」
『にゃ〜。』
猫を床に下ろし、リビングに向かった。
「さて、本でも読―」
『にゃぁvV』
本を広げる前に猫が膝の上に乗り、立って俺の頬をペロペロと舐め出した。
「ちょっ、待て待て!!!」
猫の首を掴んで引き離す。
『にゃぁ〜vV』
「―…反省の色がねぇ。」
何だか先が思いやられる―…。
(オワリ)