頂き物

□溺愛10のお題
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上目遣い

(上目遣いなショート2話)

「とっきね〜時音!」
ベストポジションを手に入れようと、いつもより1時間早く起きた。
甲斐あってか、その人よりも先に烏森について。
どん、と。
陣取る。
「何よ、うるさいわね」
良守が自分より早く来ていることがめずらしいと、時音は奇妙な顔をして。
時音が正面玄関の屋根の上の良守を見上げた。
いつもと、違って見下ろす時音の顔。
・・・まあこれぐらいの差は無理かもしんねーけど。いつか絶対・・・
月明かりに無邪気な笑顔が浮かぶ。
「・・・あんたなんでそんなに嬉しそうなの?
時音が眉をひそめた。


**


「ひぁ・・・」
脳天をつきぬける電流が流れて。
良守は身体を震わせた。
時音は細くて白い指先を、しなやかに熱いソレに這わせて。
その形をゆっくりと舌先でなぞる。
熱を膨張させるように、先端を刺激して。
「あっ・・時音・・」
良守がたまらず声をあげた。
「ん・・気持ちいい?」
時音が良守を見上げた。
仄かに光るベッドライトに、艶のある瞳が輝く。
「・・・わかってるくせに、いちいち聞くなよな・・・」
良守が熱いため息を吐いた。
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