檜佐木修兵 短編

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No.000





「携帯変えたの」


そう言って嬉しそうに新しい携帯を見せてきた、俺の恋人、光。


前の携帯はピンクだったけど、今度の携帯は白だ。


真新しい携帯にはまだストラップがついていない。



「へぇ…ちょっと見ていいか?」


「うん。はい!」



嬉しそうに携帯を手渡された。



ぱかりと開けてみると、待ち受け画像がお出迎え。



この前俺とこいつとで撮った写真画像。




写真の中の幸せそうな自分と光に、思わず笑みが溢た。





ピーッ!



「あ、お湯が沸いた。」



そういってキッチンに立っていった光の後ろ姿を見送り、再び携帯に目をやる俺。






ふと、固まった。



機種が違うと、操作方法も結構異なる。



ちょっと押してみたら、アドレス帳が出てきた。




…悪いとは思ったが、


ちょっと魔がさしたっつーか(汗)


ぴっぴっと、あいつの携帯のアドレスを見ていった。



見事に男のアドレスは家族ぐらいしか見当たらない。


ちょっとそれにホッとする俺。



独占欲の強い俺。


あいつが好き過ぎて、他の男なんて側にいてほしくないと思う。



……カッコ悪……(汗)




「…ん?」



あれ?


ちょっと、待て



確に男の番号とか入ってねぇけど……




俺の番号とかも、メモリーに無いんですけど(汗)



内心ちょっと…いや、かなり焦る俺。


No.001のメモリーは、俺じゃなくてあいつの親友のメモリーだった。


でも…



ポチッ



もう一度ボタンを押して



再び、固まった。



『No.000 修兵』




…ずっと、


『No.1』が最高だと思ってた。



まさか『それ以上』が存在するなんて…




「修兵ー、コーヒーでいいんだよねー?」



キッチンからあいつの声がする。



俺にはその声は届いていない。



無言で、パクンと携帯を閉じて立ち上がった。



「修兵…?ねぇ、ブラックで…」


ぎゅうっ


キッチンに立つ可愛い可愛い光に、背後から抱きついた。


「どうかしたの?」



…頼む、今はまだ振り向かないでくれ(汗)



真っ赤な顔を見られたくねぇんだ…///




きつく抱き締めた俺より小さい体。



こいつの体で受け止められねぇくらいの、大きな愛を



一生絶やさず与えてやりたいと




そう思った晴れた午後。




取り合えず、今度・可愛い携帯のストラップを買ってやろうと思った。



生涯でたった一人の


最高で、最愛の



俺だけの君に…





************



ビバ★ヘタレ!

てかヘタレ過ぎだ!!(泣)




2008.02.18 加執・修正






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