BLEACH 短編

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「え゙…いや、その……(汗)」



嘘。


ごめんね、からかいたかったの。


許してくれるかな?(笑)



「私……夏好きだよ。蝉の鳴き声とか、綺麗な空とか、独特の熱さとか……」




でも



「でも…何より、嬉しくて幸せなのに、切なくて、悲しいんだ。」



眉間にいつもより皺を寄せる一護。



「…どういう意味だ?」



「…夏はさ」




私は地面に視線を向けた。



「夏っていう季節は、来年また巡ってくるかもしれないけど…」



ベンチに座って、地面に投げ出した足。


白いミュールも、ミニスカートから出た私の脚も、じりじりと夏の陽射しに焼かれている。


もちろん、日焼け止めは塗ってあるけど。



けれど、わかってる。



日焼けは軽度の火傷なんだよね?



私はもう、



重度の火傷を負ってるんだ。



「こうして、一護と過ごせる夏は、今だけかもしれないじゃない?」



私は空を見上げた。



「………え?」


一護の驚いた声。


私は勢いよく、すくっと立ち上がった。



「だから…今は幸せだけど……もうこの夏は巡ってこないから…切ないんだ。」


悲しい顔はしていない。



別に、来年一緒にいられないと確定したわけでもないし。



ただ、



いつ・何が起こるかわからないわけだし、



何て言うか…


それだけ私は


「一護…」



来年も一護といたいって



「私、一護が好きだから」



強く願ってしまってる。



「だからできれば、来年の夏も一緒に過ごしてほしいな…!」



大切なものができるってことは、失うことを恐れてしまうことだったかな?



「空・青いね…!」



うーんと声を漏らしながら背伸びをした。



「…蓮」


「んー?」


振り向こうとしたら、後ろから一護に抱き締められていた。



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