BLEACH 短編

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私の発言に、きょとん、とした恋次。



あまりに突然の大声だったためか、目が点になっている。



かじりかけの鯛焼きを、ぽろりと落とした…りはしていないが(そんなことよっぽどのことが無い限り有り得ない/怒)



「俺のどこが馬鹿だって?」


ひくひくと苦笑いをしながら言う恋次。



ちょっと私の発言に怒ってるのかもしれない。



でも私の怒りは収まらない。


口を開いたら、我慢していた言葉が飛び出してきた。


「信じられない!私が大好きな甘い物を控えてダイエットしてるっていうのに、美味しそうな鯛焼きを大量に買ってきて、私に『食えよ』と勧めた挙句、私の目の前で美味しそうに食べ始めて!!恋次には私のダイエットを応援しようとかそういう優しさが無いわけっ?!大体昨日の今日で私の前に鯛焼き持ってくるなんて、私に対しての嫌がらせにしか取れないし!!そんな男とは思わなかった!!恋次は素敵眉毛様の全身刺青男だけどそんな恋次でも好きだった私が馬鹿みたい!!デリカリーも優しさの欠片も無い恋次だなんて、ただのヘタレわんこ(犬)じゃん!!ただの素敵刺青眉毛様じゃん!!(泣)」


私が早口で、やや叫ぶかのように言い放つ中、恋次はがっくりとしたように肩を落としていた。



いや、ちょっと!

がっくりしたいのは私の方なんですけど!!(汗)



「………恋次の馬鹿…」



荒げた呼吸の中、ぽつりと溢れた言葉。



少し瞳がうるんだ気がした。



恋次はやれやれといった感じで、あぐらをかいていた足を片方立てるようにして座り直すと、私に尋ねた。


「……なぁ、蓮。」


「……何よ?」


「何でダイエットしてんだよ?」



私はぴくりと反応する。



「……だから、それ・昨日言ったじゃない(汗)……『痩せたい』のよ。」




あぁ…もう怒る気力がしない(汗)



恋次は眉間に皺を寄せて私を見つめた。


「それなんだが…昨日からずっと思ってたんだけど、…別にお前太ってねぇだろ?」


「え?」



昨日からずっと思ってたんだけど……って、昨日からずっと思ってて鯛焼き買ってきたんだ(怒)!?(そっちか)



「はぁ…」


何よ、溜め息なんかついちゃって(泣)


溜め息つきたいのはこっちなんだけど。


「痩せて……綺麗になりたかったんだよ…」



「好きな人のために」って小さい声でぽつりと付け加えたけど、これはきっと恋次には届いていない。



痩せたからって綺麗になるわけじゃない。


それはわかっているんだけど、


やっぱり綺麗になりたかったんだ。



大好きな人のために……



好きな人には綺麗だと思われたいし、嫌われたくないし、


だからこうして一大決心をしたのに。



「……俺のためか?」


「………違うもん……」



いや、違わないんですけどね(汗)


「蓮は痩せてるし、可愛いじゃねぇか」


「え?」


恋次を見ると、ちょっと頬を赤く染めてそっぽを向いちゃった。


「蓮が俺のために綺麗になろうとしてくれてることはすげー嬉しけど、でもそれで辛い想いしたりしてんのは嫌だ。」




俺はお前が旨そうに食ってる姿見るのが好きなわけだし、と付け加えた恋次。



恋次の瞳は真っ直ぐ私を捕えていた。



その瞳に射抜かれてしまう私。



「それに蓮はちょっと痩せ気味だし?もうちょっと食っとかねぇと体持たねぇぞ?」



笑いながらいう恋次に、どうしようもなく愛しさが込み上げてきた。



私のこと、本当に心配してくれてたんだな……




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