BASARA

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*筆頭視点です。
*鈍感なアニキがいます。

大丈夫な方はどうぞ↓


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西海の鬼の元気がない。

普段うるさいこいつがこんなにしょげてるのなんて見たことがない。

純粋に心配する気持ちと、半分は興味で声をかけた。


「Hey、何落ち込んでんだ?」

「…政宗か。いや、別に大したことじゃねぇんだ。」

「Ah?なんだ、女にでも振られたのか?」


軽いJokeのつもりでそう言えば、奴の肩が僅かに揺れた。


「…振られた、のかもしんねぇな…」


おいおい、マジかよ…

まさかの図星に俺の頬が引きつる。


「…話してみろよ。聞くぜ?」


そう言って隣に腰を下せば、奴は遠くを見ながら口を開いた。


「…神楽がよぉ…」

「神楽?あぁ、あいつがどうしたんだ?」

「さっき、あいつと話してたんだけどよ…」



―…


『ふふっ、長曾我部様はお優しいですね』

『…なぁ、神楽。その「長曾我部様」っての、やめねぇか?』

『え…?ご、ご迷惑でしたか?』

『いや、そういうわけじゃねぇ。あんたに名前を呼ばれるのは嬉しいんだが…そんな仰々しい名前じゃなくてよ…もっと、気楽に呼んでほしいんだ。』

『え…』


…―



俺の頭の中には頬を染める神楽の顔が浮かんだ。


「Hum…で?」

「それで…」



―…


『で、では…なんとお呼びすれば?』

『あ…あぁ、そうだな…野郎どもは俺のこと「アニキ」って呼んでるぜ?』

『…「アニキ」…ですか?』

『あぁ、あんたも俺のこと「アニキ」って気楽に呼んでくれよ!』


…―



「…って言ったんだ。」

「…それであいつは?」

「それが…俯いちまってよ…顔を上げたかと思ったら…」



『お断り致します!』



「…って、笑顔で言って…そのまま走って行っちまったんだよ…」

「……なぁ、お前実はBAKAだろ?」

「なっ!?俺のどこが馬鹿だってんだ?!」

「馬鹿だろうが!!どこにLadyに『アニキ』呼ばわりさせやつがいるんだよ!」

「だって『長曾我部様』とか堅っ苦しいじゃねぇか!」

「Shit!あーもう、そう言う意味じゃねぇよ…!」

「…あいつ、俺のこと嫌いだったんだな…だからあんなかしこまった呼び方で…」

「Hey、勝手に落ち込んでんじゃねぇよ…落ち込んでんのは神楽の方だぜ…」

「あ?どういう意味だよ?」

「あんた…本気で言ってんのか?引くぞ…」

「うぉい!!憐れんだ目で見るなよ!!」

「あんた神楽に名前で呼んでほしくねぇのか?」

「名前?」

「あんたの名前は何だよ?」

「俺の名前は…」

「神楽はあんたのこと嫌いじゃねぇからアニキって呼びたくなかったんだろうよ。」


西海の鬼はあっけにとられたような顔をしている。

俺はため息を一つ吐いて、こう続ける。


「あんただって本当は呼んで欲しかったんじゃねぇのか?『元親』ってよ?」

「…!」


がばっと勢いよく立ちあがった奴の影で視界が僅かに暗くなる。


「…神楽、探してくる。…ありがとな!」


そう言うとあいつは晴れ晴れとした顔でかけて行った。



「…Good Luck。」



さっきまで丸まっていたでかい背中にそう言葉を贈り、俺は静かに口元を釣り上げた。


神楽も厄介な奴に好かれたもんだな…


いや、厄介な奴を「好きになった」と言う方が正しいな…



そんなことを思いながら、空を見上げる。




男心と秋の空



「まったく…世話が焼けるぜ」


雲ひとつ無い空は、青く高かった。




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アニキ初夢がまさか筆頭語りになるなんて…^q^

アニキの夢で初めて思いついたネタは他のなんですが…突発的にネタ思いついて書きあげてしまったのがこれです…

本当はアニキ視点にするはずだったのに…筆頭がadviceしてくれました…筆頭ありがとうwww

アニキは本当は神楽さんのことが好きで、もっと親しくしてほしくて「アニキ」呼びを(テンパって)勧めてしまうんですが、本当は名前で呼んで欲しかったはず…

アニキを好きな神楽さんは、好きな人は名前で呼びたいし、アニキって呼んだらその関係から抜け出せないから呼ばないという…

うーん、書きたいことがうまく表現できなくて残念orz

ここまでお読みいただきありがとうございました!


2011/10/08


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