BASARA

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私の彼は恥ずかしがり屋。

決して女々しいわけではなく、凛々しい顔と強靭な体を持つ。

だけど、すごく恥ずかしがり屋。

手を触れれば、顔は真っ赤。

そんな彼がかわいくて好きだけど、たまに物足りなくなる。

今だって…ほら、おやつのお団子に夢中だし。


「…おいしい?」

「美味い!神楽殿の作る甘味はどれも美味でござる!」


あらら、幸せそうな顔。

口の端にみたらし団子のたれが付いている。

まるで子どものように無邪気。

そんな彼が好きなんだけどね…


「幸村…」

「ん?」

「お団子好き?」

「好きでござる!」

「私とどっちが好き?」


我ながらなんという愚問を…

と後悔し、慌てて視線を逸らそうとしたが、


「そんなの、神楽殿に決まっておろう!」


至極当然のように、きょとんとした顔で言った彼の答えで、体が硬直した。


「っ…!!」

「…ん?神楽殿、顔が…」

「なっ、何でもないっ!!!」

「しっ、しかし、真っ赤…」

「っ…!!幸村って、ずるい…!!」


幸村はずるい。

時々私の予想を裏切る。

そして彼は私を惹きつける。

ずるい、ずるい。

恥ずかしがり屋のくせに…ずるい。


「神楽殿…?だ、団子食べるでござるか?」

「…幸村…」


私は幸村の腕を引っ張り、彼の頬に口付ける。

ぺろりと舐めたのは団子のたれ。


「なっ?! 神楽殿…?!」


今度は幸村が真っ赤。

そんな顔も愛おしくて、でも何だか恥ずかしくてたまらなくて、

私は彼の胸に顔を埋めた。



ずるくて甘い恋の味



口の中に広がる甘さを味わいながら、

これがたまらないのかもしれないと、のぼせた頭で考えた。




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初幸村夢…!
やはり彼女の方が主導権握ってるという…そんな幸村が好きです^q^年下幸村好きなんです…

普段の幸村なら「どっちが好き?」なんて聞いたら真っ赤になってはぐらかしちゃいそうなんですけど…今回はあえて自分の気持ちにはド直球の幸村を書いてしまいました。そんな幸村も好k(ry

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

2011/10/09



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