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□PHASE-1. 研究者の夢
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前世紀から今世紀にかけて、人類は新たな人種を作り上げた。
遺伝子操作により、従来の人間よりも発展・進化を遂げた人類を生み出すことに成功したのである。
『コーディネイター』と呼ばれる彼らは、およそ人類の望む全てのものを手にして生み出された。

人よりも美しい容姿、人よりも優れた頭脳、超人的な身体能力、花開く才能。

そういったものに溢れた彼らは、遺伝子操作を行えずに自然に生まれた『ナチュラル』に、大きな憎悪と嫉妬を抱かせた。

コーディネイターはナチュラルによる迫害、差別、嫉妬、憎悪などおよそ悪意という悪意を受けて地球を追われ、最早宇宙でしか生きられないように仕向けられた彼らは、月軌道周辺にスペースコロニー群“プラント”を造り上げた。
農業プラントを群から独立して新たに作り、彼らはやっと安住の地を手にした。しかし、地球からコーディネイターが去ってもナチュラルの憎悪は止まらなかった。

戦争が起きたのは最早必然と言えた。
仕掛けたのは『ナチュラル』である。コーディネイターの遺伝子操作における素晴らしい恩恵・・・頭脳や身体を恐れた彼らは、それらを全てなかったことにしようと考えた。
“宇宙の化け物は全て排除すべき”と考えた彼らは、月軌道から離れて存在した農業プラントのそのひとつ、“ユニウス7”に大量破壊兵器である『核』を打ち込み、約25万人のコーディネイター達の尊い命を奪った。

C.E71年から起きた二度に渡る戦争は、『ナチュラル』対『コーディネイター』の図式を明確にした。しかし、この戦争は思わぬところで終結を迎える。
第一世代、第二世代と続いた数多のコーディネイターはその遺伝子操作の賜物のように、希有な存在が多く存在していた。しかし、彼らが生んだ第三世代のコーディネイターは、どんなにきついコーディネイトをしたとしても、“宇宙に住む適した体”であることを除けば、ほぼナチュラルの子供と大差なくなってしまったのである。

最早どんなにコーディネイトをしても第一世代や第二世代のような希有な存在は生まれないと知った『ナチュラル』や『コーディネイター』は、争うことが意味のないことに思え、長きに渡る戦争はこれにて終結した。

しかし、度重なる戦争の爪痕は地球環境に大きな爪痕を残したのである。


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