Novel JUMP

□転がったトマトの惨劇。
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何故に!?


今日は何かといい日だったような気がする。
珍しく浦原が浦原商店に居なくて、ひげジョリジョリされずに済んだし。
いつも大勢で活動してる不良集団に出くわさなかったし。
虚にも会わなくて、伝令神器も静かなもんだったし。
ご町内で新しく出来たスーパーの特売で広告の品(1キロ72円の砂糖)をゲット出来たし。
なんかそこでもらった福引で二等賞のスキヤキ用牛肉が当たって・・・今日はスキヤキかぁ。んじゃあ八百屋に寄ろうか、確か商店街の角っこにあった八百屋が安いし、新鮮だったよなぁゆず、喜ぶかなぁ・・・とか思案して、ソレを実行に移しちゃった俺を殴りたい。


「アンタ、何してんの?」
どうか目の前の人間?が自分の知ってる人物とは違いますように。ほら、世間には同じ顔した人がなんたらって言「なんだ、黒崎か」

・・・何故に!

立ち寄った八百屋『はっちゃん』八百屋なのにタコ焼き屋の様な名前なのは、ご主人が関西出身者だからで。いや、それはどうでもいい。そのご主人が近頃ギックリ腰を患い、アルバイトを募集していた。
八百屋なわりに時給がよくて、募集者は多くいたはずなのに、中々アルバイトは決まらず、ご主人の奥さんがその仕事を一人でやりくりしていた。

何故、アルバイトが決まらなかったのかと問われたら、それは奥さんが面食いだった・・・ということだろう。
・・・じゃなくて。
「久しいな。兄はこの辺りに住んでいるのか?」


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