Novel TITELE

□まるで花弁のように
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 たとえば昔僕が言っていたように、世界が真っ白になったとして、・・・まぁそれはそれで美しいと思うんですが、でも少しだけ考えてみたんです。
そこには抗争だとか、恐怖だとかないんですよ。え?それを目指してる?
冗談!
君、僕の話。聞いてました?
そうです。そうそう。ないんですよ、君を守るための抗争だとか、恐怖だとか。まぁ恐怖なんてものは僕は持ち得ないんですけれどね。で、そういうのが無い世界は、とても、非常に、


「不幸だと思うんですよ。」


いきなり現れて、ベッドに腰かけた男はそう言いながら俺の唇に唇を落とした。
「・・・骸、帰ったの?」
唇を離されて体をベッドから起こすと、霧の守護者は少しだけ愛好を崩した。
「えぇ。つい先ほど。相手のファミリーのあっけなかったこと!ええ。ええ、一網打尽にしてやりましたよ。だからご褒美に綱吉君をください。滅多に帰って来ることなんかないんです、それくらいの我が儘、言ったって罰は当たりませんよね?ボンゴレ。」


・・・。


「どうして、俺の守護者はこう、女の子に興味がないのかなぁ。まぁ隼人と良平さんは心配してないけど。」
「おや、お気づきで無い?」
「何が?」
「君が如何に魅力的な存在であるか、です。大体、男が男に“抱きたい”といって“はい、いいですよ”なんて答える男がどこにいるんです?まぁ僕ら守護者は全員がストレートですから当てはまりませんがね。
でも、どうしても繋ぎ止めておきたくなるんです。君はまるで風のようだ。
いけすかないあの鳥だって君の指図には従うでしょう?優しさなんかじゃないですよ。極上の報酬目当てです。」
「鳥とか・・・雲雀さんの前で言うなよ?」
「さて、どうでしょう。」
「骸。」
「・・・しょうがないですね。心にとどめておきましょう。―――さて、僕はこれ以上にないメインディッシュを目の前に、今にも口から涎が垂れそうなんですが。・・・キスをしても?」
「今更聞くなよ。」
「では失礼。」

触れ合った唇を確かめながら霧の守護者の、幾分か伸びた後ろ髪を手に梳く。
目を閉じると、頭を掴まれて深く口づけられた。その間にスルリと右手が寝巻きの下を探るように這う。
唇を離されて、息を乱していると骸は俺の目もとに唇を落とした。


「貴方がいなくなるなんて、もう考えられないんですから、僕がいないところでみすみす死なないでくださいね?」

笑った顔は。




まるで花弁のように


あーもう、どうしてうちの守護者ってこう、顔が良いんだか!逆らえないじゃん!



END

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