Novel TITELE

□そんなの無理…
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いつものように、村田とスタツアに成功した俺は、超絶不機嫌なワガママプー・・・失礼、フォン・ビーレフェルト卿ヴォルフラムを目の前に、冷や汗をタラタラタラと零した。
愛しのダイケンジャー村田様は既に眞王廟に取られてしまったその後の出来事で。
着いた早々ギュンターの書類攻撃を喰らい、執務室でたっぷりと王としての責務を果たしたわけなんだけれど、その後でなんだかんだ言いつつも三男命!の兄ズにいいように扱われて、俺の目の前にはピンクの王子様が居る訳だった。
柄にもなく緊張した俺は、へっぴり腰のまま、相手に今日の用件を聞いたら、相手の言い分は至極解り易いものだった。


1、お前は婚約者たる俺をもっと構うべきだ。
2、猊下との関係性を、レポートに纏めろ。
3、奴は眞王と出来てるぞ。


の三点でした。残念ながらそんなことは百も承知の上で付き合っているこちらとしては、今更なことこの上ないが、本人は至って真面目で、綺麗なお顔の眉間に皺をめいっぱい寄せてこちらをじっと見つめてくる翡翠の瞳に勝てないのは道理で。

「え・・・っと、ヴォルフラム。つまり、お前は俺に構ってほしいってこと?」

と、直球ストレートで聞いてみたら、「ユ、ユーリなんか知るかぁー!」と花瓶を投げつけられ、ベッドに陣取られました。
―――え、今日寝るなってこと?と、思ったので、仕方なくソファに寝ることにしたんだけれど、明日起きれるかどうか心配です。・・・って作文!?





「それで、哀れな君は執務室のソファで寝ることにしたって?」
まるで追い出された夫のようだね。と俺の双黒の大賢者様は月の光を背にして笑った。
「で、なんで村田はこっちに?」
「抜け出したんだ。―――・・・理由は、まぁ君とだいぶ一緒かな。彼も大概、フォンビーレフェルト卿と似てるんだよね。あ、でもこの場合は逆か。」
「俺と同じく、執務室のソファで寝ようと?」
「だってここのソファ、座り心地いいんだもん。」
「だよな。」
「うん。」
頭を引きよせて、眉間にキスを落とすとバンッと執務室のドアが勢いよく開いた。
「ユーリ!」
おおっと、これはまた・・・怒りんぼ姫の・・・ヴォルフラムー!!!何で、何で、何で居るの!?
「やぁ、フォンビーレフェルト卿。渋谷を・・・締め出したらしいね。」
おーっと、大賢者様が参戦!ヴォルフラムと村田の一騎打ちだーって、どうしよう!
二人が視線を絡めた瞬間、バチバチッと目から出た火花はきっと見間違いじゃない。
そして、戦いのゴングが高らかに打ち鳴らされた。



もう無理・・・


あー・・・俺今日一体何処に寝よう。ってか寝れるかな・・・。


END.


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