ぶらり箱2の2

□†招待状†
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「…っ!な何をする?」
「はい、終わりました」
「術は解けたのか?」
「大丈夫!」


「ガイとアニスが、あの招待状を持っていったまま、もう1週間になるが…」
「大丈夫でしょう!あの二人ですから」
「そうか…」
「どこかで遊んでるんじゃないですか?」
いつもの皮肉な喋り方に、戻っていた。

「しかし…」
「心配なら、ルークを心配してあげて下さい、二人の事は私に任せて…」
「わ、分かった…」
いつものアッシュの喋り方に戻っていた。

術を解かない方が、可愛かったのですが…
「それじゃあ…私はこれで失礼しますよ、また何かあったらいつでも連絡してください」
「二人の事は頼む」
ぶっきらぼうに、言うと、小さくありがとうと、付け加えた。

「完全に術は解けていますから安心してください」


軍人が、帰ったすぐ後、またドアを叩く音がした。


軍人に付けられた額に残る跡をごしごし消そうとしている時だった。
不機嫌そうに返事をする。

「すまん、俺だガイ」
謝る言葉など聞きたくなかった。一層不機嫌な声で、答えた
「開いてるぞ」

「朝早くから…」
ガイは恐縮しながら、部屋に入ると、ダンスパーティーの報告を…兼ねて文句の一つも言うつもりだった。しかし、メイドからルークが寝込んでいる事を聞いて様子をみにきたのだと。

「悪い、俺もルークも術掛けられていたらしいから、報告は、明日、お疲れ」

言うだけ言うと、アッシュは、ガイを扉の外へ追い出した。
「じゃ、また明日」
名残惜しそうに、何度も振り返りながらガイは帰っていった。

考える事がたくさんあってガイの相手をする余裕は、ない。言い訳しながら、策を練っていた。

誰が俺たちを…
考えても一人しか浮かばない。
んな、馬鹿な!

単純に、ピーが考えた事にした方が納得できる。


いや、もう、俺も寝よう。全ては、明日、ルークが元気になってからにしよう。ドアに、鍵をかけて、ルークの隣に滑り込んだ。

「大丈夫か?」
俺より濃い髪を撫でる。
「おまえこそ、もう良いのか?」
疲れた声が返ってくる。


「ああ…ガイは?」
「もう、帰ってる」
「そか…」

「あの招待状にトラップが施されてたなんてな」
「分かんねぇよな」
「俺としたことが…」
「何言ってんた?」
「いや…すまん」
「そか、俺は何としても行かなくちゃって思ってたしお前は、いつになく可愛いかった…」
「そうだったのか…いやまて、可愛いって?」
「覚えてないのか?」
「分からん」

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