ぶらり箱2
□‡新たな旅立ち‡3
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ちょっ…置いていかれた?アッシュ〜誰も居ないのか?ホントに?こんな事なら豪華船の旅の方が良かった…アッシュ〜
弁当買ってる間にまさかの乗り遅れ?はあ〜どうすんだ?
いや…ため息ついてる場合じゃねえ!ルークが一人になってるじゃねえか…
ま、俺も一人なんだが…いやいや…そんな話はアレには通じない…前の鈍行に追い付くには…あ!
先に着いてトイレに行ったふりでもして座席に戻る!それしかねえ!
ん?駅前に運良くタクシーもあるじゃねえか!ついてるぞ!俺…
鈍行も早い?行き違いの駅をようやく見つけて…
ふうっ!
やっと乗れた…あ…
「アッシュ〜見つけた!」
ははは…
即バレたか…ははは…ん?「アッシュ〜心配した」
ああ…悪い!
ここは潔く謝ってだな…
ん?
「ちょっ、ルーク?」
言葉が無いときのおまえは超ヤバい事考えてるだろ?「…置いていかれたって思った…俺バカだ…ごめんなさい…」
えー?
「いや…良い…謝るな!」
じゃなくて…
「とにかく席に戻ろう!」
ん?
「…席?」
指差した場所には誰かがもう座っていた。
「じゃ、こっちに…」
近くの席に座らせようとしたら…首を振って俯く?何かあったのか?
「荷物…アッシュの荷物返して貰う!」
はあ?
ちょっと話が見えないぞ!それって盗まれたのか?
「…そうじゃなくて…一緒に行ったら分かる!」
はいはい…
「あの…帰ったから返して!」
え?
ルークより大柄な男が俺を見て舌打ちをした。っち!「返せば良いんだろ!」
えー?
何なんだ?
「一人じゃ、多いから貰ってやるって…でもアッシュが帰ったから…ごめん」
だから、それ盗まれたって言うんじゃ?
まだ席にも座らずルークにガミガミ言ってたら…
「座らせてやれよ!」
はあ?
さっきの男が俺に指図か?おまえな…
「ありがとう!アッシュは本当はすっごく優しいんだぜ!」
はい?
「分かった!」
あっさり引き下がった?
俺が居ない間に…こいつのペースに皆振り回されたって話か?はあ〜
「アッシュ…」
いや、だから…泣くなって俺は怒ってないだろ?
「ルーク…」
だって…
「息切らせて戻って来てくれたのに…俺の勘違いで…席も荷物もなくなったら…また…俺のせいで…」
アッシュの…
鼻をぐすぐすいわせて…
「誰もおまえのせいだなんて…」
言ったな…俺が。
ふーっ!
ま、とにかく座ろうぜ!
「駅弁買ってきた!」
ん?
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