ぶらり箱2

□‡新たな旅立ち‡3
4ページ/51ページ

俺のせいだ…俺がちゃんとアッシュを信じて待てなかったから…
「ごめんな」
おまえが言う前に俺が言った。
「えー?アッシュは悪くないだろ?」
悪いのはいつも俺。俺がバカだから…迷惑かけて…
「いや…弁当買ってる間に乗り遅れたのは俺がドジっちまったからだ」
だから…な!

「アッシュ〜」
抱きついてきたおまえに…俺は手も足も出ない。
「ルーク?」
…良かった…前より優しくなってる?俺がバカだから?バカの証明したから?
「次の弁当は俺が買うよ」
はい?

ははは…
「次は一緒に買いにいこうか?」
あ…うん。
「やっぱりアッシュカッケーな!うん!その手があったんだ!」
ふーっ!
ようやくおまえに笑顔が戻って良かった。マジ焦ったからな…こう…胸がキューって…え?いや…

「アッシュ?具合悪いのか?」
えー?
「いや…腹減ったな…食べるか?」
ん?
アッシュが無理してる?
俺のせいでアッシュを無理させたのか?

「うん…」
でもここは元気に返事しないと…
「俺だって…焦った」
おまえを一人になんかしたくなかったのに…結果的にこんな思いまでさせて…
ふうっ!

ふふっ!
「アッシュが焦るとこ見たかったな…ウ〜ソ!」
ははは…
おまえ…笑うか泣くかどっちかに…いや良い…

「おまえの好きなチキン丼と牛丼とどっちにするか迷って…」
え?
アッシュ…
「両方買ったからな!好きな方食べて…ルーク?」
おまえ…また泣くつもりじゃないだろな?

「…アッシュ…」
胸が一杯で食欲がどっかに飛んでいった…なんて言ったらダメだから…
胸を押さえてどうした?
おいおい…ちょっと悪い冗談止めろ!

「…ふうっ…アッシュ先に好きな方取っていいよ」
はあ?
おまえ、俺の話聞いてなかったのか?
「俺がどんな気持ちで…あ…違うぞ!おまえのせいで乗り遅れたんじゃねえからな!」
ったく…こいつは…
「…ごめんな」
いや…だから…
「分かった!じゃ、俺が牛丼でおまえが…」
な、何首振ってんだ?

つまり…チキン丼2個買うつもりで行ったのに1個しかなくて…俺のために…選んでて…ふうっ!
「ルーク?考え過ぎるな!俺はどっちも好きなんだからな!」
そう…こうでも言わないとおまえは食べるのさえ拒否しようと…

ふーっ!
「美味かったな!」
ああ…チキンと牛丼を半分づつにして…やっとおまえが食べた。

「終点で降りたら宿探してゆっくり寝ようぜ!」
うん…
ホントに長い1日だったよな…



2010.04.04.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ