ぶらり箱2
□‡新たな旅立ち‡3
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どこかで記憶が欠落した?確か…
ふうっ…
「…悪かった」
鈍行で一周なんて…どこかの旅日記でもあるまいし…体調管理出来る年でもなかったのに…
乗り遅れた列車を思い出す度にあのドキドキが頭をかすめる。あの時…戻った時おまえの言葉…ったく…俺がおまえを追い詰めてどうするんだ?
荷物番も出来ないと自分を責めて…そしておまえが俺に言った…
ふーっ!
楽しい二人だけの思い出を作ろうって…まさか…
楽しい思い出…はあ〜
どれだけため息をついてもおまえのあの悲しそうな笑顔を見れない…
置いてきたから。
まさか、入院?えー?
完全看護…俺は面会時間が来て追い出された。
まだ意識戻ってないのに…ふうっ…こんな展開なんて嬉しくねえ!
いや…目覚めるだろ?このまま闘病日記なんて…
ふーっ!
何度目かのため息の後…
おまえのリュックサックを持って帰った事に気付く。どれどれ…
おやつがきれいに…残ってる?食べなかったのか?俺が居ない間…おまえの動揺が手に取るように分かる。目覚めた時…居なかったら焦るだろな…ふーっ!
あの時…列車から降りる時ちゃんと起こしてやれば良かった…
俺はもう先の事でいっぱいいっぱい…
そうだった…途中から俺がおまえを見離した…いや…宿の事で頭一杯で…相談すれば良かった…ふうっ!
先の見えない旅にしたのは俺だ。ルーク…
朝一番に行くか?
ガラガラガラ…
パタパタパタ…
アッシュ…夜中に煩いよ?アレ?
確か改札口で辺りが白黒になって…ん?
首だけでキョロキョロしていたら…腕からチューブ?ふへ?
改造されてる?
ジタバタしようと…起き上がろうとしたら…
「気分は?」
アッシュ…じゃない…
口をパクパクしてみたけどどうも相手には通じないらしい。
ふーっ!
腕からチューブじゃなくていつものアレみたい…
はあ〜アッシュは?
呆れて先に帰っちゃった?「朝には退院出来ますよ」
あ…
俺がアッシュの事を考えていたから…ふうっ!
声が出そうにないからここは、にっこり笑顔で。
「声は出ませんか?」
誰?
俺の心読んだの?
こうなると後は寝るしか思いつかなかった。
ふうっ!
「防御されてしまいましたか?」
してないよ!
はい?
「誰?」
通りすがりの医師ですが?ふーん…通りすがりの医師登場!っと…
ははは…
ココは俺とアッシュだけだからな!
はいはい…
「ルーク?」
続
2010.05.14.