ぶらり箱2の2

□†招待状†
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‡招待状‡

「ダンスパーティー?」
「どこからだ?」
「ピー陛下だって!」
「ピー?ピオニーじゃなくてか?」
アッシュが、ルークに届いた招待状を覗き込む。

「どちらにしても行くなよ!分かってるのか!」
「…行ったらダメ?」
「おまえな、…危機感無いのか?」

「…ホントだ!グランコクマじゃないよ!」
「どこだ?」
「タタル荘だって!」
「ミュウの間違いじゃねえか?タタル草?」

「ナタリアに聞いてみる?」「一緒にって言われたら、断れないから止めろ!」

招待状の日時が近づいてきた。
「なぁ、一緒に行こうよ」
「またその話か?」
「だって…一緒に最近出掛けてないし…」

「……他に連れて行ってやるから…それは止めておけ!嫌な予感がする…」
「んー分かった!」






「巧く行くでしょうか?」
「パーティー好きのルークだからな……」






「場所が悪かったか?」
「陛下素直に書けば良かったんじゃないですか?」





「アニス、こんな招待状貰っても…………」
「でも、陛下って…誰かきてるのかなねえガイ?」
「嫌な予感当たらなかったら良いんだが…」





「秋の味覚ツアー良かったー!アッシュ!」
「気に入ったか?」
「招待状アニスにやったし……」
「未練がましいやつだな」
「ごめん…」

「怒ってないから…」
「うん…アッシュの隣が良い……」
肩に、頭を乗せてもたれかかる。
「どうした?疲れたのか?」「誰か呼んでる声…」
「聞こえるのか?」
「…助けてって…」
息が、浅く何度も空気を取り込もうとしている。

「何?誰?」
「誰の声だ?」
「…聞こえない…ふぅー」
「疲れたのかもしれないな」「そ…かな…」

「俺…重症?」
「んなことないだろ?」
「アッシュには聞こえなかったんだろ?はあ〜」

「気にするな…傍にいて…」「ん?アッシュどうした?」「何処へも行くな俺の傍にいてくれ…」
「アッシュ…うん分かった」ツアー客の視線を無視して二人は、強く抱き合っていた。
「可愛いぜアッシュ!」
「……いてくれよ」
あの招待状は、きっとピオニーからに違いない。そして助けを呼んでるのは、アニスとガイだろう。用意周到な奴。助けは、ガルドがらみに違いない。
アッシュは、ルークに悟られないよう頭を働かせていた。あの陛下が絡むとロクな話にはならないだろ。

アニスとガイなら心配ないだろうから…

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