ぶらり箱2の2

□‡宇宙のたび‡
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晴れた日、空に、文字が浮かび上がった。

『ロケットの旅へようこそ!搭乗者求む!』


「早く行こうぜ!」
「せっかちですね」
「成功したんだな」
「そうみたいですね」


「早く行こうぜ!」
「引っ張るな!」
「だって、誰かに先起こされるのって…」
「分かったから」
お子さまが、乗れるのか、確かめないとな…
がっかりしたおまえの顔が目に浮かんで苦笑いした。「何笑ってんだよ!」





そんな話もしたような気がする。ルーク…帰るって言っただろ?
「ええ…聞きましたよ」
ふーっ!




いくらお子様って言われたからって…そんなに気にしてるなんて…
「いや!気にしていた…それを俺が…余計な一言」
あなたが責任を感じる事はありませんよ!

「大佐…今捜索隊を結成して…」
俺も行く!
「コレは…アッシュ様?」
ああ…

「一般人は…大佐?」
良いんじゃないですか?
アッシュにだけ連絡出来る特別な能力もお持ちですからね!

はあ〜
「それでは、大佐と同じ機でお願いします」
ええ…それで…
ふーっ!





そう、それはこんな晴れた日。皆でロケットの試運転を楽しみにして…

「12才以下のお子様は乗せられません…」
えー?
「アッシュ…17才だよな…」泣きそうな声に気付いたのは…ずっと後の話。


俺が冗談で言ったのに…おまえは…本気にして…
「居なくなったのがもう先月の話」
いくら待っても帰らず…
月にでも移住したのかと思っていたら…ロケットは打ち上げ延期で飛び立っていなかった。



帰り道…迷子になってとうとう帰らず…
「俺があんな悪い冗談言わなければ良かった」
ええ…私もです。まさか、まだ自分を子供のままと思っていたなんて…ふうっ!「いつもの連絡網には何の反応も示さない…あいつの目になってもいつも真っ暗で何も見えない…」
ふうっ…


ルーク…何処へ行ってしまったんだ?あんなに楽しみにしていたのに…
「誰かに誘拐されたって事はないのか?」
はあ〜
「あちらからの要求がまだありません…桜の季節から次の鯉のぼりの季節になったというのに…」
ジェード…

まさか…いつも暗いのは例の闇の空間に居るからじゃないよな!
「それならジェードのマントで助けに行けない?」
ああ…
あのマントですか?
ふーっ!

何処でもマントではありませんから…けどまあ試す価値はありますね!
「行き先はルークで出発しましょうか?」


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