ぶらり箱2の2

□†ねこみみ〜セントビナー†
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‡ねこみみ‡


何が面白いのか。
ジェイドは、俺にねこみみ付きの帽子を被せた。

で、おまえは?
うさぎ?!

旅ウサギ?
何?それ?
まっいいか!似合ってるし年令詐称でも…叱られないしフフ

ってことは、次の行き先はエンゲーブかな?


「似合ってますよ」
「おまえもな!」

可愛いジェイドが、こんな格好なんて、ティアが知ったらハートマーク付きまくりだろな。


「何、にまにま笑ってるんですか?」
「ふぇ?ジェイド可愛いなって…」

「ふむ…あなたには勝てませんが…」
「またまたー」
ジェイドの耳を引っ張ってみた。

「や、止めなさい…」
真っ赤になって、俺を振り飛ばした。

「痛ーいっ!」
何すんだよ!かなり遠くまで飛ばされたよ…ジェイド…おっかしいなぁ?迷子になるじゃねぇか!


ただのねこみみ帽子なのにジェイドの声が聞こえた。「るうく…るうく…」
泣き声?待っててー!


俺は、ジェイドの声のする方へ、駆け出していた。


すげぇ!
ねこになった気分!


草地が気持ち良い!
ウサギ、ウサギ?!


キョロキョロ…童話?
昔から、ジェイドってば、ウサギだったの?紅い目のウサギかぁ!


俺のジェイドどこだあ?
しくしく泣き声?嘘?
「るうく…るうく…」


何か照れるなぁ!
みみを触らないように、そおっと後ろから近づいて、「ただいま〜!」


後ろを振り向く前に、首に抱きついた。
「…るうく?」
「ごめんな…」

ジェイドが、目を丸くしてちょっと、照れたように、「お帰りなさい」
「はい!今帰ったよ」


ウサギから、俺のジェイドに変わってた。
「心配しましたよ」
「うん…ごめん」


「この帽子すげぇよ!ジェイドの声聞こえたんだ」
「は?それは、凄いですね」「知らなかった?」
「はい…」


「帰ろう…お腹空いたし」
「そうですね」
優しい紅い目で、俺の頭を撫でて抱きしめてくれた。草地より、気持ち良い、ジェイドの胸に飛び込んだ。

「心配かけて…ごめん」
ちょっと泣きそう。俺は、小さい声で囁いた。

「聞こえていますよ」
紅い目の大きな耳のウサギが答えた。


エンゲーブのぶうさぎの声が近づいてきた。宿の明かりも見えてきた。


また、明日な!
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