ぶらり箱2の2

□†ルークの計画
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消える事が分かった後も、ルークの叫びは、俺の頭に響いていた。……死にたくない、生きていたい、何度も聞こえる悲痛な叫びに、思わず頭を撫でてやりたくなる衝動を堪える。

(おい聞こえるか?屑!)
俺の問い掛けにも、あっさり答えなくなった。頭痛を伴う、俺の問い掛けを無視出来るはずはない。少し心配しかける頃、ようやく、返事がある。

(………どうした?)
こちらが聞きたい位だ!
ぐっと、言葉を飲み込んで(すぐ、返事しやがれこのレプリカ崩れが!)
また言ってしまった。

(……ごめん……)
それに気付かぬようにルークの弱々しい声が頭に響くそんな声を聞かせるな!

(何ですぐ返事できねえんだおまえは……屑が!)
また、怒った声で。はぁ〜気持ちを隠しながら喋ると余計な事を言ってしまう。アッシュは段々不機嫌になっていく自分に舌打ちしたい気分だった。

(俺たちもうじき消えるいや違うな、アッシュは………俺が消えるんだった)
(何ごちゃごちゃ言ってやがる!屑がぁ!)
もうダメダメだな俺。

(おまえだけは、生き残れないかって……思って)
(何いってやがる?!)
(俺、おまえのレプリカだろ、被験者のこと心配するのって普通じゃね?)

(けっ!レプリカ崩れに心配してもらわなくたって…いや……)
普通?それだけか?本当にそれだけでか?聞いてみたいが。

(どうした?アッシュ?)
聞くな。
(普通ってどういうことだレプリカ野郎!)
いやこんな事聞いても仕方ない。
(陽だまりには1つ分しか入れないだろ?)
(誰が決めたんだ!)
(えっ?……訳分からないよ!俺やっばり劣化してるからかな?…ごめん…)

(おまえは俺のレプリカだろうが!)
(うん…だけど…ごめん…分からねえ…)
混乱するルークに掛けてやる言葉が見つからない。
(いいよ…ごめん消えて…ごめん……)
(何言ってるんだ?)
(掌が透けて見えるんだ消えていくんだなって…)
(おい!一人で消えるな!俺も俺も一緒に消えてやるから……)

ああ言っちまった。赤面しながら言う。
(えっ?……分からねえ…ごめん…ありがと…)
なんでありがとなんだ。
ローレライとの約束。
《アッシュ自ら消えるって言えば、二人で帰れるんだな。》ルークはなけなしの脳細胞を酷使して、考えてた結果だった。
(アッシュ一緒に消えて一緒に帰ろうな!)
(ああ、そうだ!それが俺の望みだ…おまえと一緒に帰れるんだな)
何だか分からないが、俺は幸せな気分で答えた。
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