ぶらり箱2

□1と0の間からルクジェ〜おーるどらんと一周の旅
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ルクジェ
ランキング登録記念☆

†旅†

「夢みたいだ俺、ジェイドと二人で船の旅なんて」


こちらの世界に帰ってから初の旅に、同行者は、ジェイドのみ。確かに夢見たいな話。
「浮かれて海に落ちないで下さいよ」

客船なんて、初めてって………
スィートルームに、ジェイドと、2人。広すぎませんか?との心配をよそに、ルークは転げ回っている。

ふと、立ち止まり、顔をつねってみたくなる衝動を我慢して。
海は、穏やかに船を揺らしていた。

オールドランド一周の旅に今朝、出航したところだった。

ホント?ルークは中々、信用しなかった。

「少しは、大人の話も聞いて下さいよ」
「きっと、何か裏があるんじゃない?」
気を許す事なく、日程や 行き先を念入りに聞いていた。
「おや?ルークの違う面を発見しましたよ」

「嫌味な事言うんだ…」
ルークから笑顔が曇る。
「いい加減慣れて欲しいですね」
俯く紅い髪を右手で撫でると、震えているのが分かる「何故?」



「嬉し泣き!」
笑顔のまま、涙をいっぱいにしてジェイドに飛び付いた。



「私の方こそ、あなたに慣れなくては…」
世界中に名を轟かせる死霊使いも、ルークの奇襲を予測出来たのは数回でしかなかった。
「ルークの涙には勝てる気がしません…」


同じ紅い髪でも、反応が違うのですね。
「俺だけ見ていて……」
「新手の術を身につけたのですか?」
ジェイドの胸に、頭を擦り付けた。

生まれたばかりの自分を、殺したいと願った男の頭脳から生み出された少年。

記憶のない、少年に運命を重ね、生きることと、死ぬ事を学んだ、軍人の自分。そして、誰かの代わりからの脱却。記憶の大切さを、噛み締めて生きる事を選んだ少年。
結ばれるべくして、二人は今から始まる、物語の主役。


「ジェイドもう読書終わった?」
「はい。」
「隣座っていいか?」
「はい」
「可愛いなジェイド!」
「あなたもね」

「次はドコ?」
「ケテルブルクです」
「カジノで大儲け!?」
「おや?どこかで聞いた台詞ですね」
「スパも行こうな」
「ええ、良いですよ」

「これ、ホント夢じゃないよな」
「はい。夢の方が良かったですか?」
「……んなわけない!ジェイドの隣、俺だけ!夢みたいだなって……」
「あぁ、そうですね」

「やっぱり何かある?」
「私を信じられませんか?」「そうじゃないけど…」
「ゆっくり休みなさい」
「うん…」
「私の大事なルーク」


ハイ、ゆっくり
休んで下さいBY店主
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