ぶらり箱2の2

□ユリアの謎
2ページ/3ページ

「中々、手厳しいですな」
「おまえさ、本当馬鹿じゃねぇ?!」
「イオン様ですよね」
「そうだよ、顔も忘れちゃったの?モース」

「顔はイオン様ですが、物言いが、シンクに似ていますな」
「誰?それ?」

「いや、ヴンデスデルカとフォミクリーを……」

「最後まで喋ってみよ!」
「は、はい…ユリア様」
ユリアに逆らえる者は、誰も居ないようにみえた。

「あんたさ、さっきから聞いてると、偉そうだよね!もとを正せば、そこの黄色い奴の仲間なんだろ?そこから話して欲しいね」

「あら、誰かと思ったら、エベノスは来てるの?」

急に名前を呼ばれてタジタジになったエベノスは、腰を抜かしているのか口をパクパクするばかりで要領を得なかった。

「あれ?ユリアって、エベノスと同時期なんだー!へぇーっこいつは驚いた」

「ち、違うぞ!ユリア様と同じ時であるはずが、無かろう?!」

「じゃあ、どうしてユリアがあんたの名を知ってるんだい?」
「時の鍵を持たせてるからね、導師には…」

「エベノスは、イオンには鍵を渡さなかったんだね!で、今までどこに隠れてたんだい?」
「そ、それは…」

「初耳だね、エベノス!誰の差し金だい?」
「そ、それは…あなたの子孫に頼まれ…脅されて」

「ローレライ教団も地に落ちたものだね。ヴンデスデルカかい?地核で、うっかりローレライが契約してしまったという…全く」

「誠に申し訳ない」
「謝る相手は、違うだろ」

「いやはや、うっかりローレライには恐れいるね、あんたが、契約したお陰で、あの二人は命をかけて、あんたをヴンデスデルカから解放しなくちゃならなくなったんだから。いや、解放は始め、地核からだったのかい?」

「はい。申し訳ない!」
「どちらにしても、あんたと完全同位体だった事が悲劇に繋がるんだろうけど、ユリアは、始めから、うっかりローレライがこうなる事を予知してたって事になってるけど…!?」

「観念おしよ!エベノス!」「ユリア様?!」
「やっぱりか!」
「わしは、頼まれたまま、鍵を使っただけじゃ」

「おまえさ、導師なんじゃないの?!もしかして…どっかに詠まれてた…ユリアの裏切り者とか?」

「おまえが、同時期におれば、悲しい若者を二人も作らなくて……」

「作ったのかい?」
「いえ、滅相もない…」

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ