ぶらり箱2の2

□†招待状†
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しかし、ツアーから帰ってくるとルークは、寝込んでしまった。

「どうしたんだろ?俺おかしい?」
「気にすることはない、ゆっくり休めば治る」
「ごめん……ツアー楽しかったのに…ごめん…」

目を開けたまま、呼び掛けられるとただ、謝るしか出来なくなっていた。
「おい!どうした?」
「ごめん…ごめん…」
感情のこもらない、平淡な喋り方は、いつものルークではないように思えた。

「今、医者を呼ぶから待ってろ」
「ご、ごめん……」
「謝らなくていいんだからな…」
同じ紅い髪を撫でて額に、唇を押しつけた。

「ふぅー」
「ため息か?」
いや、とにかくいつものルークではなさそうだった。相談したくないNO.1のグランコクマの軍人に連絡を入れた。

夜中まで待ったが、何の連絡もなかった。朝早く、寝室のドアを叩く音で、目を覚ました。

「一刻の猶予もナイと思ったので…」
言い訳しながら、立っていた。
「世話になる…」
寝不足の目を擦りながら、中へ招き入れる。

「ルーク?どうですか具合は?」
「…ごめん…ごめん…」
抑揚の無い声で、答えていた。
「アッシュ!あの招待状はありますか?」
「ああ…」
同じ家に2通届いた招待状に、アッシュは疑問を感じて、ルークを行かせないようにした。

「…っコレは!」
珍しく動揺を隠し切れず、絶句している。

「どうした?」
「ルークの容態は、この招待状に術がかけられています、あなたにもね」

「お俺は何もない」
「気付いてないのですか?」「まったく」

「なるほど…」
「ところで、犯人はやっぱりピオニーなのか?」

「たぶん、騙されて…片棒担ぐ羽目になったのではないかと…」
「誰が…俺達を…」
「あなたなら、心当たりが」「ない!」
「まあ、良いでしょう…それよりルークを助けましょう」

「寝込む前、助けを呼ぶ声が、聞こえるとか言っていた」
「そうですか…ではあなたは外に出ていて下さい」
「分かった」

ホントに、変わってしまったのなら、良かったのですがね。素直な良い子に。
ため息をつくと、ルークに近づいた。

「ふぅー」
ため息を一つついてルークは眠りについた。

「アッシュ、もう入ってきて構いませんよ」
「ルークは?」
「ようやく眠りにつきました」

「え?それじゃあ……」
「よく見て下さい、目を閉じてるでしょう?」
「あ!そういえば」
「明朝には目覚めるでしょう」
「あ、ありがとな」
「アッシュ、ここへ来て目を閉じて下さい」
「分かった…」

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