終わりから始まる物語

□†ルークと…†
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「朝だぜ」
「今日はルークの当番だったか?」
うん…


ピョコンと跳ねた後ろ髪を俺が撫でると…
「くすぐったい…アッシュ…お早う!」
「ああ…」
「今日は…アッシュ?どっか具合悪い?」
あー!
「いや…」
こんなに穏やかな日常が手に入るなんて夢みたいだなと…


「大丈夫?」
「…あはは…」
俺は笑って誤魔化すつもりだったのに…



「俺さ、アッシュとずーっとこんな風に過ごしたかったんだなって」
ルーク?
「ああ…俺もな…」
「俺が変な事言ったから…アッシュ?今日は何時に…」
「ルーク…変な事言ってないだろ?」
「え?」
舞台ならここで監督がカーットとか叫ぶのかなとか思ってた。


「冷めるよ…」
いつもの朝ご飯の前の楽しみ?
「ああ…」
「今日は…」
ルークが朝ご飯のメニューを俺に話していた。


ホントにこんなに穏やかな毎日を送れるなら…
「アッシュ?やっぱり俺の作ったもの…気にいらないか…」
え?俺は焦る。
「だ、誰もそんな事…ルークの作るものなら何でも美味い!」
ふーっ…


脅かすなよ…ちょっとルークに見とれてたなんて言えないだろーが…
「アッシュは優しいから…言ってくれないと分からない…」
え?
ルーク?


「ち、ちょっと待てって!何処へ…いや食べるから持って行くな」
え?
「だって…温め直そうかなって今言っただろ?」
「ああ…」
今日のアッシュは何だか変だな…疲れてるのかな?それとも…俺が…


「明日はアッシュの当番だぜ!」
「ああ」
返事も何か…
「やっぱり…アッシュどっか辛いんじゃ?」
え?


「ふーっ…ルークにはバレてしまうな…」
「休む?」
「…そうだな…」
「ムリは良くないよ」
俺は後片付けを終わらせて…


「ふふっ…今日は良い天気だし…」
「ルーク?」
「洗濯日和かと思ったけどアッシュ日和にしよっかな?」
え?


「何だそりゃ…俺を干すのか?干物は嫌だな…」
「ふふっ…それも美味しそうかな?嘘…ゴメン」
「ルーク?」
「辛いのにゴメン…アッシュ…俺バカだから」
ルーク?

「な、何暗くなってやがる!この…」
「アッシュ…」
ふーっ…


こんな日常も良いと思っていた。昨日までは…


「ルーク?」
…アッシュへ…


20130725
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