Prince
□異種交配
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仁王は私を抱く。私は仁王に抱かれる。
仁王は頼めばキスしてくれる。腕枕もしてくれる。頭も撫でてくれる。顔に掛かる髪を流すように私の頭を撫でる仕草が好きだ。私は仁王がシャワーを浴びている間にベッドメイキングを済ませる。
「なん、またベッド綺麗にしてるし」
仁王は腰辛いだろ、と苦笑した。仁王のセックスは激しい。でもすごく上手い。
「仁王ってテクニシャンだよね」
「お?おん、さんきゅ」
上がった口角にちょん、と自分の唇を当てて私はシャワーに向かう。
ベッドメイキングは予防線なのだ。仁王がシャワーを浴びている間に逆上せあがった頭を現実に戻すため。仁王との時間に酔いしれてしまってはいけない。これ以上仁王を好きになってどうしようっていうの?報われない恋なんて私には向いてなさすぎる。
カチャカチャ音がして振り返ったら裸の仁王がいた。
「どしたの?仁王シャワーさっき浴びたじゃん」
「うん、盛った」
「は、」
返す間もなく仁王は私の首筋に噛み付いた。元気だね、仁王は。私もむくむく元気になって仁王の肩峰に噛み付いた。
異種交配
(愛した私と)
(愛さないあなたと)
(今日も交わる異種交配)