遙BL
□作成中
1ページ/1ページ
―――君はもう僕を好きではないのかもしれない―――
一体いつからこんな風に思うようになったのだろうか。
………思い出そうとしてもわからない。
気がついたら不安になっている。
一度不安になると自分一人では取り除けない。
……『潮時』……
そんな言葉が脳裏によぎる。
―――ヒノエ……君は今何を考えているのですか…?―――
『May I...? 〜迷愛〜』
「弁慶!」
帳の降りたシンと静かな夜。
弁慶が廊下を歩いていると、後ろから呼び止められ、立ち止まり振り返る。
「ヒノエ、何ですか。」
振り向いた先にいたのは、“甥”兼“恋人”であるヒノエだった。
遠くからでも鮮明に見える緋色の髪を、フワフワと揺らしながら、ゆっくりと弁慶に近づいていった。
「恋人に向かって『何ですか。』はないだろ。俺の姫君は冷たいなぁ-…。」
そう言いながらもヒノエは微笑みを絶やさない。
「……ここで立ち話も何ですから、僕の部屋にでも来ますか…?」
ヒノエに目を合わようとせず