桜恋唄 番外編 〜その壱〜
□転寝
7ページ/7ページ
「お、ほたる、目が覚めたか」
『ん〜……?左之さん?』
ほたるは瞼を擦りながら上体を起こす。
『んー……ん?あ、平助も……』
俺の名を紡ぐ、寝起きの掠れた声。
それすらも、今の俺には充分すぎるくらいで。
『ふわぁ〜、良く寝た〜!』
そして大きく伸びをし、立ち上がったほたる。
『……今日も暑くなりそうだね。よし、頑張ろ!じゃ、俺行かなきゃ。二人とも、また後ね!』
「おう、あんまり無茶すんなよ」
大丈夫、と左之さんに答え、俺達に手を振ると、ほたるは廊下の向こうに消えていった。
俺はまともに返事も出来ず、ほたるのいなくなったその先を、ただ見つめていた。
********************
⇒ 桜恋唄 第七話
宜しければ……
✩【アンケート】に御協力下さい♬.*゚
✩【ご感想】など聞かせて頂けると嬉しいです( ¨̮ )