桜恋唄 〜その壱〜
□第八話
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「原田。隊を率いて公家御門へ向かい、長州の残党共を追い返せ。斎藤と山崎には状況の確認を頼む。当初の予定通り、蛤御門の守備に当たれ」
副長の命令に、銘々がおう、と答える。
「それから大将、あんたには大きな仕事がある。手間だろうが会津の上層部に掛け合ってくれ」
む、と局長は不思議そうに首を傾げた。
「天王山に向かった奴ら以外にも敗残兵はいる。商家に押し借りしながら落ち延びるんだろうよ。追討するなら、俺らも京を離れる事になる。その許可をもらいに行けるのは、あんただけだ」
「……なるほどな。局長である俺が行けば、きっと守護職も取り合ってくれるだろう」
「源さんも守護職邸に行く近藤さんに同行して、大将が暴走しないように見張っておいてくれ」
副長が冗談のような口調で言うとくつくつと小さな笑いが隊士から洩れる。
局長は、ばつが悪そうに苦笑していた。
「……残りの者は俺と一緒に天王山へ向かう。 それから────」
副長はちらりと視線を千鶴ちゃんに向ける。
彼女はどこの隊にも属していない為、少し扱いに悩んでいるのだろう。
「……お前は好きな場所に同行しろ。だが、近藤さんについて行くのはなしだ」
「あ、はいっ」
千鶴ちゃんは少し考えた後、土方さん達について行きます、と答えた。
────そして俺達は、天王山を目指し蛤御門を後にした。
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⇒ 第八話 番外編(沖田)
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